熊本大地震にF-2A戦闘機が飛んだ訳

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 昨夜の熊本の地震の被害が心配です。余震もかなり続いていますし、明日からの雨も被害拡大につながらないといいのですが。津波の心配がないのが何よりです。あれは怖い。
 自然災害だから仕方ないといえ、余震がまだまだのようですのでお気をつけください。

 さて、今回の地震で航空自衛隊がF-2A戦闘機を20分後に発進させましたが、「戦闘機派遣に何の意味があるのか」が話題になっていましたので一言。

 緊急発進(スクランブル)をかけたことで、すぐに離陸出来る機体は戦闘機が一番です。
発進命令後5分以内にできる即時発進体制「5分待機」というものですね。

 戦闘機では夜間でも目視同様の視界が得られる、赤外線前方監視装置(FLIR)などがあるのですが、今回のF-2Aは夜間待機用だったら装備していたと思うのですが、どうなんでしょうか。

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ミサイルではありませんよ。航空自衛隊のJ/AAQ-2です。


 だだ、目視でも上空監視ができますので、その結果「大規模な火災が確認できない」という報告そのものが貴重な情報となったと思います。まずはいち早く現地に飛ぶということが今回の目的だったと思われます。

 その情報を受けて、九州北部の各地からUH-1JUH-60/SH-60などのヘリコプターやU-125A救難捜索機が発進しています。P-3C哨戒機まで発進させたことは凄いなと思いましたが、これらの機体にもこういう総武が充実していますので、戦闘機より低速かつ低い高度を飛ぶことで、更に精密な情報収集が可能です。

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陸自のUH-60JA
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空自のUH-60J


これらの航空機も災害派遣に備え24時間の緊急発進体制「15分待機」を常に維持しています。これも過去の2度の大きな災害の教訓によって確立されたものだそうです。

  下がF-2Aに搭載された夜間航法用システムのJ/AAQ-2、三菱電機製品です。

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 まずは、いち早い情報収集による現状の把握ということは災害派遣では最も大切なことですから、こういう体制は頼もしいものです。

 民間や個人でも災害対策をしっかりとしないといけませんね。


この記事へのコメント

  • 意馬心猿

    気のせいかもしれませんが、今回、自衛隊の活動開始がとても早かった印象があります。
    2016年04月15日 19:27
  • ワンモア

    ★意馬心猿さま
     こんばんは〜。確実に行動は早かったですよね。今までの教訓が活かされていることもありますが、熊本は普段から自衛隊とのコミュニケーションが盛んな所でもあると聞いています。これから救出活動やインフラ、救援活動に活躍してくれると思います。
    2016年04月15日 19:46
  • ねじまき鳥

    地震の被害は想像以上でした。
    2016年04月15日 23:11
  • ちょいのり

    ボクは一昨日のヤフートピックスで紹介されるまで、このことを知りませんでした・・・
    自衛隊さんのいち早い初動が役立ってることを世間様はあんまり知らないところだというのがとても切ない・・・
    ボクの子供の頃はちょっと嫌われ者だった気がしますが
    (航空機事故あたりからその印象も変わりつつあったかしら?)

    世界で一番自然災害が多い日本を支えている自衛隊さんにボクは感謝の言葉しかありませんです^^
    2016年04月17日 02:12
  • ワンモア

    ★ねじまき鳥 さま
     未だに余震が続いているので心配ですね。

    ★ちょいのり さま
     日本は自衛隊への職業差別がまだまだあると思ってます(●`ε´●)
    2016年04月17日 11:01

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